めまいの原因には耳や脳疾患(脳梗塞、脳出血、脳腫瘍など)などがあり、60%以上は耳に原因があると言われています。
めまいの訴えは患者様によって様々で「ぐるぐるまわる」、「ふわふわする」、「くらっとする」などと表現されることがあります。また、めまいとともに「耳が聞こえにくい」、「耳が詰まる感じがする」などの症状がおこることがあります。
めまいの他に「激しい頭痛」、「手足の麻痺」、「呂律がまわらない」などの症状がある場合には脳に原因がある可能性があるため、脳神経内科や脳神経外科、救急外来の受診をご検討ください。
顔面神経の障害により顔を動かす筋肉が麻痺した状態を顔面神経麻痺と言います。
顔面神経麻痺の原因は中枢性と末梢性に大きく分かれます。当院では末梢性の顔面神経麻痺が診療の対象となります。
中枢性の原因は脳梗塞や脳出血、脳腫瘍などがありますが、頻度は1%以下と言われています。
末梢性の原因はウィルス性が多く、単純ヘルペスウイルス(ベル麻痺)が約60%、帯状疱疹ヘルペス(ラムゼイ・ハント症候群)が約20%を占めます。その他の原因として、中耳炎、外傷性、自己免疫疾患などがあります。
顔面神経麻痺はほとんどが片側の麻痺です。症状は「顔面が左右非対称で曲がっている」、「目がうまく閉じない」、「口元から水がこぼれる」などがあります。ラムゼイ・ハント症候群を発症した場合は顔面神経麻痺以外に耳の痛み、難聴やめまいなどが起こることがあります。
治療は副腎皮質ステロイド薬、抗ウィルス薬による薬物治療を行います。発症から日数が経過すると薬物治療の効果が弱くなるため、異常を自覚したら早めの耳鼻咽喉科受診をお勧めします。
薬物治療後に障害が高度である場合には手術が推奨される場合があります。
顔面神経麻痺になると、麻痺以外に顔面の筋肉が硬くなるなどの後遺症が出ることがあり、予防のためにリハビリテーションが重要です。リハビリテーションはご自宅で行っていただくことになります。